大分県認知症疾患医療センター

Oita Dementia Disease Medical Center

当院は県からの指定を受けて、平成26年9月1日より「認知症疾患医療センター」を開設しました。認知症疾患医療センターでは、認知症の患者さんとそのご家族が住み慣れた地域で安心して生活が出来るための支援の場所として、都道府県や政令指定都市が指定する病院に設置するもので、認知症疾患における鑑別診断、地域における医療機関等の紹介、医療の相談の受付などを行います。

業務概要

  1. 専門医療相談
  2. 鑑別診断とそれに基づく初期対応
  3. 合併症・周辺症状への急性期対応
  4. かかりつけ医等への研修会の開催
  5. 認知症疾患医療連携協議会の開催
  6. 情報発信

専門医療相談について(電話、面談無料)

もの忘れが目立つようになったら、まずはかかりつけの先生に相談してみて下さい。かかりつけの先生が認知症の診断・治療をしてくださるようでしたら、そのまま治療をお願いしましょう。認知症のお薬は飲み薬や貼り薬がありますが、どれも特別な医療機関でないと処方できないものではありません。もし、かかりつけの先生では判断が難しいようでしたら、認知症疾患医療センターを紹介していただいて下さい。診断をさせていただき、治療方針をご提案した後にかかりつけの先生に再びご紹介します。かかりつけの先生がいない場合は直接ご連絡いただいても結構です。
 他にも認知症について、尋ねたいことや不安に思うことがあれば遠慮なくご相談ください。

受付時間月曜日から金曜日  午前9時~午後5時
(土日、祝祭日、年末年始は除く)
相談窓口電話番号0977-23-2200(専用電話)

鑑別診断の流れ(予約制・保険診療)

 認知症の診断は、検査の結果だけではなく、日々の生活の中でどのようなことがあったか、それがいつ頃からみられるようになったかといった生活の状況や治療中の病気、服用している薬剤に関する情報も大事になります。ご本人からのお話だけではわからないこともありますので、必ずご家族や身近な方と一緒に病院に行くようにしてください。 なお、かかりつけの先生からの紹介状等をお持ちの方はご持参ください。

STEP1
問診

ご本人・ご家族に日々の症状についてお聞きするほか、ご本人との会話を通して記憶力などを確認します。

病歴聴取

[主訴、現病歴、既往歴、病前性格、生活状況など]

視診・問診

[表情・身だしなみ・行動・睡眠・排泄状況など]

STEP2
身体診察、検査

改訂長谷川式簡易知能評価スケール

MMSE(国際的に使われている簡易知能テスト)など

適宜、必要であれば以下の検査が行われます。

脳の状態を調べる検査

[CT、MRI、SPECT]
*MRI,SPECT検査は連携医療機関で行います。

身体の状態を調べる検査

[血液検査、尿検査、心電図検査、X線検査]

STEP3
専門医師による診断

診察時間

月曜日から金曜日 午前9時~午前11時(土日、祝祭日、年末年始は除く)

相談時間

月曜日から金曜日 午前9時〜午後5時(土日、祝祭日、年末年始は除く)

予約制、保険診療

合併症・周辺症状への急性期対応

合併症や周辺症状(幻覚、妄想、徘徊など)に対する診断や治療を行います。
入院治療が必要であれば当院ならびに連携する医療機関で急性期の入院治療を行います。

認知症とは

高齢化の進行とともに認知症の患者数は増加し、現在65歳以上の10人に1人が罹患していると言われています。認知症は誰にでも起こりうる病気です。「認知症はなおらない病気」というイメージがありますが、早期に診断・治療を受けることにより、疾患によっては薬で進行を遅らせることができます。また、認知症と思っていたら実際は別の病気であり、治療により回復したということもあります。
 このように早期診断・早期治療が重要ですが、もの忘れなどの初期症状は「年だから仕方がない」と見過ごされがちです。認知症をきたす疾患は複数あり、その中で半数以上を占めるのが「アルツハイマー型認知症」です。アルツハイマー型認知症には進行を遅らせる薬があります。2011年からアルツハイマー型認知症治療薬はそれまでの1種類から4種類に増えています。

認知症の早期症状

  • 同じことを何回も話したり、尋ねたりする
    (例)数分前の質問をまた繰り返して尋ねる
  • 短時間しか経っていない出来事をしばしば忘れる
    (例)数時間前に来客があったことを覚えていない
  • 置き忘れやしまい忘れが増える
  • 財布や通帳などの大切なものをなくす
  • 大切なものを盗まれたと言う
  • 服装など身の回りに無頓着になる
  • 趣味の活動をやめてしまう
  • 薬ののみ忘れが増える
  • 以前はテキパキできていた家事や作業に手間取るようになる

以上のような症状がでてきたら、早い時期に医療機関を受診したり、相談窓口に相談することをお勧めします。

老化によるもの忘れと認知症の違い

老化によるもの忘れ
体験の一部を忘れる
もの忘れを自覚している
ヒントを与えられると思い出せる
時間や場所などは正しく認識している
日常生活に支障はない
きわめて徐々にしか進行しない
認知症によるもの忘れ
体験全体を忘れる
もの忘れの自覚に乏しい
ヒントを与えられても思い出せない
時間や場所などの認識が混乱している
日常生活に支障がある
進行性である

代表的な認知症の種類

アルツハイマー型認知症

認知症のなかで最も多いタイプです。脳が特有の変化を伴って萎縮する病気で、多くの場合、記憶障害(もの忘れ)から始まり、次第に進行していきます。また、記憶力だけでなく、判断・理解・思考力などまで低下してしまいます。人・場所・時間にかかわる認識能力が低下し、家族の名前や今いる場所、日付がわからなくなったりします。また、食事をしたことを忘れる、季節に合った衣服を選べない、計算ができない等の症状もみられます。原因ははっきりとわかっておらず、病気の進行を完全に止める方法はみつかっていませんが、現在は病気の症状を改善し、進行を遅らせる薬が開発されています。

レビー小体型認知症

認知症全体の約1~2割を占めています。初期に幻視(実際には存在していないものが見える)や妄想が出ます。次第に物忘れなどの認知症症状が現れ、正常に見えるときと、様子がおかしい時が繰り返し見られます。また、症状には波があり、穏やかな時と落ち着かない時と大きな差が見られます。他にもパーキンソン症状(筋肉がこわばり動作が鈍くなる、小刻みな歩行になる等)がみられることが特徴です。また、立ちくらみや便秘等の自律神経症状を伴うこともあります。

脳血管性認知症

認知症全体の約2~3割を占めています。脳の動脈硬化等が進み、脳梗塞(脳の血管が詰まる)や脳出血(脳の血管が破ける)をおこしてしまうと、部分的に脳の働きが悪くなることがあります。こうして起こるのが、「脳血管障害による認知症」です。そのほとんどは脳梗塞や脳出血の後遺症としておこりますが、時に目立つ症状を起こさない小さな脳梗塞によっても起こります。記憶力の衰えの割に、思考力は高いなど、症状の偏りが見られやすいこと、感情のコントロールが難しくなり、意欲の低下等がみられることも特徴のひとつです。糖尿病や高血圧といった生活習慣病をきちんと治療し、喫煙・過度の飲酒を控えることによって予防が可能な認知症です。

前頭側頭型認知症

認知症のなかでは1割以下の割合です。主に大脳の前頭葉と側頭葉の委縮が目立ち、もの忘れよりも人格の変化が目立ちます。症状としては、人が変わったようになって立ち居振る舞いが粗暴になったり、他人の意見や忠告にまったく耳を貸さなくなることがあります。また、自制心も低下していき、まれに盗癖などが見られることがあります。40代から50代の男性が発症することが多く、いわゆる働き盛りの社会的地位のある人が急に盗癖をみせることでこの病気が発覚するケースもあるようです。意欲の低下や食行動の変化(甘い物を食べ過ぎる)で気付かれることもあります。